
本記事では、皆様のこういった悩みに答えます。
- 社会人基礎力の考え抜く力とは何?
- 課題発見の実施方法は?
- 課題発見力の身につけ方は?
私はコンサルタントとして、考える力を発揮しつつ、プロジェクトごとに多様な課題を発見し、時には創造力をもって課題解決を導いています。
そんな私が経験を踏まえて、記載しています。
以下の構成で作成しております。
目次
社会人基礎力の考え抜く力とは何?
以下の図は経産省で定義されている「考え抜く力」です。
ポイントは、「自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められる」ことです。
本記事では課題提起(課題発見力)を中心に身につけ方を紹介します。
課題発見の実施方法は?
まずは課題とは、仕事における問題を解決するために実施することです。
そして、問題とは理想と現状のギャップです。
整理すると、以下のような図になります。
例えば、売り上げ3億円が理想であり、売り上げが1億円しかなければ、売り上げが2億円少ないという問題があり、その売り上げが少ない問題を解決する方法が、課題になります。
以上のことから、課題を見つける手順は、以下の通りになります。
- 理想を明らかにする。
- 現状を整理する。
- GAP(問題)を洗い出す。
- 課題を整理する。
理想は、企業やビジネスのあるべき姿であり、最初に定義する必要があります。
こうすることで、あるべき姿を目標とした課題を設定することができます。
課題発見力の身につけ方は?
課題発見の4つの方法を整理しました。
続いては、どのように理想や現状を整理するかという実践方法を記載します。
具体的に何を実施することで、課題発見できるか紹介しておりますので、それらを繰り返し実践していただくことで、課題発見力が身につくと考えております。
理想を明らかにする
「1. 理想を明らかにする」については、それぞれの企業やビジネスにおいて多種多様なものがあります。
理想は一般的には、目的や方針、方向性などの抽象度が高い状態で定義することが多いです。
まず重要なのは、達成したいことを一言で表すと何かです。
そして、具体的にそれは何か、なぜ、いつまでに、どう達成するのか、など、可能な限り5W1Hに基いて整理することで、より明確になります。
【なぜ】同じデータをコピペするといった単純作業が多く、本来時間を割くべき業務に時間がさけず、社員のモチベーションが低いため、改善が必要
【いつまで】次の会計年度までには新しい業務プロセスで業務を行う
【どのように】BPRを行う、業務システムを刷新する
【誰が】最初の段階ではプロジェクトの責任者や主要関係者を整理する
【どこで】まずは本社でトライアルを行い、子会社に展開する
現状整理
理想に応じて把握しなければならない、現状はMECE・ロジックツリーを活用して整理しましょう。
MECE
状況に応じて、様々な現状を整理する方法論があります。
例えば、3C、4P、PEST、SWOT・・・などなど、書き出せばきりがないですね。
これらは状況に応じて使い分けますが、基底にある考えは何でしょうか。
・・・
それはMECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)です!
聞いたことがある方は多いかもしれませんが、MECEは何かというと「もれなくダブりなく」という意味です。
物事を考えるときには、MECEに(もれなくダブりなく)考えるときれいに整理できます。
例えば、自社のビジネスついて考えたいときは、どう考えるともれなくダブりなく考えられますか。
次の例です!「経理業務を改善したいんですよ」というとき、どのように検討する現状を整理できますか。
最後に一つ、身近な例を考えてみましょう。
「昨晩よく眠れませんでした。寝る前の行動はブルーライトも避けていたし特に悪いことはありません。どうやら寝る環境に問題があるようです。さて、よりよく寝るために、寝る環境について考えるべき要素は何でしょうか。」
次に、ベッド以外の寝る環境として関係があるのは、寝室ですね。これで検討べき事項は全てでしょうか。
いいえ!他にも寝室の外がありますね。
図にすると、寝る環境は以下の要素からなっています。

これでMECEになったのではないでしょうか。
要素を洗い出したら、それぞれの要素をさらに細分化していきます。
ベッドの構成要素は、マットレス、掛布団、枕、ベッドフレーム、などあります。そして、それぞれの特徴を整理すると、問題が出てきそうです。
寝室の構成要素は、明かり、空気(湿度・温度)、音、におい、置いてあるもの、広さ・高さなどなど、たくさんの考慮事項があります。そして、同じくそれぞれの特徴を整理します。(ちなみに、明かり、空気(湿度・温度)、音、においは、MECEな整理になっています。なぜでしょうか。それは、5感をベースに分類しているからです!(視覚、触覚、聴覚、嗅覚))
部屋の外は、・・・
と整理することで、現状を整理し、それぞれの特徴を把握でき、問題点を洗い出せます!
いかがでしょうか。
3つの簡単な例を基にMECE(もれなくダブりなく)である考え方を紹介しました。
物事を考える際には、もれなくダブりなく考えることで、現状分析力が身につきます。
また、現状分析に限らず、どんな時もMECEに考えると、物事のすべての側面を見ることができます。
ロジックツリー
MECEと合わせて使えると良いのは、ロジックツリーです。
これは事柄を階層構造で整理するものです。
例えば、上記の3C・寝る環境の例を使ってロジックツリーで整理すると、以下のようになります。
それぞれ階層が上の方だと、抽象的であり、下の階層に行くと具体的になります。
また、同じ階層の要素はMECEであり、すべてを足すと一つ上の階層と同じになる特徴があります。
内容が抽象的過ぎて具体的に考えられない場合には、階層が十分に詳細化されていないということですので、必要なだけ詳細化しましょう。
現状の整理は、可視化しながら実施すると行いやすいので、MECEの考えと合わせて、ロジックツリーもぜひ活用ください。
GAP(問題)洗い出し
理想の定義によって、目的や方針、方向性が決まっており、現状分析によって、現状を把握できました。
そこで、GAP(問題)の洗い出しは、理想と現状の突合せにより明確になります。
理想を踏まえて、改善が必要な現状の要素を洗い出していきます。
課題を整理する
GAP(問題)が見えたら、それぞれ具体的にどう解決するか整理します。
また、それぞれ効果と費用などから、課題の優先順位をつけます。
以下に効果と費用を基に、課題の優先順位を検討する例を示します。
課題発見力を身につけましょう
以上、課題発見の実施手順と課題発見の際に使える考え方やツールを紹介いたしました。
手順とそれぞれキーとなる考え方を再度整理します。
- 理想を明らかにする。→やりたいことを一言で表すと何か?その5W1Hは何か?
- 現状を整理する。→MECEに考え、ロジックツリーで整理する!
- GAP(問題)を洗い出す。→理想から外れる現状(GAP=問題点)を洗い出す!
- 課題を課題を整理する。→GAP(問題点)の解決策の検討と優先順位をつける!
どれも重要ですが、一番汎用性があるのが、MECEです!
ちなみに、理想を明らかにする際にもMECEの考え方は反映されています。
5W1hは基本的には、もれなくダブりがありませんね。
具体例や自作の図表も交えながらご説明いたしましたが、いかがでしょうか。
繰り返し実践していただいて、身につけましょう!!
■■社会人基礎力の全体像はこちらで紹介しています■■