
本記事では、皆様のこういった悩みに答えます。
- 社会人基礎力の柔軟性と状況把握力とは何?
- 柔軟性と状況把握力を発揮するための具体的方法は?
- ステークホルダー管理簿とは?
私はコンサルタントとして、様々な利害関係者(ステークホルダー)と関わりながら仕事を進めています。
そして、それぞれの関係者は違った考え方を持っており、一様に対応することよりも、その人に応じてコミュニケーションを変えることが望ましいです。
そんな私が経験を踏まえて、以下の構成で柔軟性と状況把握力を発揮するための工夫をお伝えします。
社会人基礎力の柔軟性と状況把握力とは
以下の図は経産省で定義されている「チームで働く力」です。
チームで働く力は、「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「状況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」からなっています。「発信力」「傾聴力」はすでに開設しました。
本記事では「柔軟性」「状況把握力」について解説します。
柔軟性・状況把握力を発揮するための具体的方法
チームで働く力における「柔軟性」は相手の立場・意見を理解すること、「状況把握能力」は自分と周囲の人々や物事との関係性を把握することを指しています。
「社会人基礎力とは【身につけ方と具体例を紹介します】」にて、ステークホルダー登録簿を作ると良いことをお伝えしました。
今回は、柔軟性・状況把握力をつける一助となるよう、そのステークホルダー管理簿について解説ようと思います。
簡潔に言うと、ステークホルダー管理簿は、自分が関わる人を一覧にした表です。
関係者の今の状態と理想の状態をメモします。
ステークホルダー管理簿のテンプレート
実際にテンプレートを見てみましょう。
ステークホルダー管理簿
関係者 | 役割/役職 | 現在の姿勢 | 理想の姿勢 | 問題点 | 今後の対応 |
Aさん | 部長 | 抵抗あり | 支持者 | 改革の利点を認識されていないため、手間だと感じている。 | プロジェクトの利点を伝えることで重要性を認識していただく。 |
Bさん | 係長 | 支持 | 指導 | 異動して間もないため、業務の理解が十分でないため、指導できない。 | 積極的に業務内容を共有する。会議をできるだけリードしてもらう。 |
Cさん | 担当者 | 支援 | 支援 | – | – |
次の事項は、ステークホルダー管理簿のポイントです。
- まず、この表は公開しないものです!!特に抵抗ありなんて表現を見られたらますます亀裂が広がってしまいます。。。
- 取り組みに対する、現状の姿勢と理想の姿勢を明らかにすることで、どう対応していくべきかわかりやすくします。
- 現状の姿勢・理想の姿勢には、大きく以下の事項があります(PMBOKを参考に作成)。
- 不認識:そもそも活動を知らない
- 抵抗:活動に対して抵抗がある/抵抗している
- 中立:活動に対して反対でも支持でもない
- 支援:活動に対して支援/指示している
- 指導:活動を積極的にリードしている
- 上記のフォーマットや姿勢のレベルは、あくまでも一案なので、状況に応じて使いやすい形に変えましょう。
ステークホルダー管理簿を活用しましょう
以上、ステークホルダー管理簿を紹介しました。
普段は頭の中で整理して、感覚で対応を決めていることが多いのではないでしょうか。
明文化することで、理解が深まりますし、事前に相手の立場・意見を意識しやすくなります。
そうすることで、「柔軟性(つまり、相手の立場・意見を理解すること)」ができますし、「状況把握能力(自分と周囲の人々や物事との関係性を把握する)」こともしやすいです。
今後の対応について、一律で決めることができればいいのですが、やはりコミュニケーションはひとそれぞれなので、やり方を模索する必要があります。
ただ、経験則から一番他の人を巻き込むために良いと感じることは、こまめに連絡すること、意見を伺い巻き込むことの2点です。
ぜひ実践して、良いチームワークを発揮していきましょう!
ちなみに、本文中に出てきた「PMBOK」はプロジェクトマネジメントの知識体系です。
プロジェクトマネジメントを行う上での、基本となる知識をまとめているもので、プロジェクトに限らずかなり使える内容なので、別の機会にご紹介いたします!(社内研修もやったりしてました。)
■■社会人基礎力の全体像はこちらで紹介しています■■