本記事では、皆様のこういった悩みに答えます。
- 社会人基礎力の計画力とは何?
- 計画力の身につけ方と具体的方法は?
- スケジュールはどこまで細かく整理するの?
私はコンサルタントとして、自分でプロジェクト計画を立てて、プロジェクトを推進し、終結させています。
そんな私が経験を踏まえて、以下の構成で作成しております。
社会人基礎力の計画力とは
以下の図は経産省で定義されている「考え抜く力」です。
課題発見力については、別記事で解説しておりますので、本記事では、計画力にフォーカスして解説いたします!
以下、具体例を用いて解説しますが、課題発見力を前提にしておりますので、まずはそちらをご参照ください。
計画力の身につけ方と具体的な方法
計画力は、「課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力」とあります。
その力は、
①WBS(Work Breakdown Structure)を作成すること
②スケジュール化すること(それぞれのタスクの期日を考えること)
を、繰り返し実施することで身につけることができます!
WBSの作成
さて、WBSとは何でしょうか。
簡単に言うと、「課題(作業)を徐々に分解して階層を整理したもの」です。
「業務改善を行う」という例を基に考えてみましょう。
・最初の分解
業務改善は、業務を現状からあるべき姿に改善することです。
まずは何を改善するか把握して(①)、把握した改善を実施する(②)ということになりますね。
これでやることを少し分解できました。
・次の分解
「①改善点を把握」について考えてみましょう。どうやって改善点を把握しますか。
課題発見力のところで解説した、課題発見(≒改善点発見)の4つのステップが使えますね!
- 理想を明らかにする。
- 現状を整理する。
- GAP(問題)を洗い出す。
- 課題を整理する。
すると、WBSは以下のようになります。
・次の分解
さらに「①-1あるべき姿(理想)定義」を分解してみましょう。
理想を把握するためには、マネジメントの方針(売り上げ目標、コスト削減、人事、ITなど)や現場の意見から、「どのような業務が理想的か」ということを検討できそうですね。
そして、それらをまとめて、関係者の合意を得ることで、あるべき姿を定義できます。
このように、他の①-2、①-3、①-3、そして②を分解していくことで、やるべきことリストが整理できますね。
スケジュール化
それぞれタスクを細かく整理できた段階で、いつまでに何を行う必要があるか決めていきます。
ポイントは2つあります。
ポイント1
まず一つ目のポイントは逆算することです!
WBSの例から、「業務改善を行う」ことは来年度末までに実施するということであれば、今年度「①改善点を把握」することが必要になると想定されます(実際の状況に応じて異なります)。
そしてそのデッドラインに合わせて、各タスクの期限を調節していきます。
ポイント2
二つ目のポイントは、タスク間の従属関係を考えることです。
WBSの例を使うと、「①-1-1経営方針確認」と「①-12現場意見確認」は、従属関係はなく、それぞれ並行して進めることはできます。
一方で、「①-1-3あるべき姿の整理/共有」は、「①-1-1経営方針確認」と「①-12現場意見確認」が終わらないとできないという従属関係があります。
これまでの内容を基にスケジュールのイメージをまとめてみます。
実際には他の①-1以外の事項もより詳細に検討して、網羅的にタスクを洗い出し、各タスクの期限と従属関係を整理します。
スケジュールの細かさ
これまでWBSの作成とスケジュールの作成を解説しました。
ただ、「最初にどこまで細かく整理すればいいのか」と疑問を持たれるかもしれません。
回答としては、現時点で可能な範囲で整理することです。
特に最初の段階で「②改善を実行」は具体的内容は決まっていないので、細かくできません。
順守すべき期日に影響がないように徐々にスケジュールを精緻化しましょう。
また、ある程度細かくできるタスクに関しては、成果物単位として、メンバー間で認識がずれない程度が良いと考えます。
例えば、「①-1あるべき姿(理想)定義」をやりましょうと言っても、なかなか何を作ればいいかイメージしづらいです。
一方で、「①-2-1経営方針確認」であれば、「該当業務に影響する方針一覧と対応方針」を成果物とできそうですね。
さらに細かいToDoレベルへの分解は、実際に作業を行う少し前の段階で実施すればよいと思います。
例えば、「①-2-1経営方針確認」に担当者が割り当てられれば、さらに細かく「①-2-1経営方針確認」は「中長期計画確認」「IT戦略確認」「人事異動確認」・・・など整理して、いつまでに実施するのか整理してもらいます。
計画力を高めていきましょう
以上、計画力を身につけるための、WBS・スケジュール化と、スケジュールの細かさを解説しました。
個々の状況に応じて、考えるべき事項は異なりますが、私自身も同様の方法でスケジュールを作成しています。
これらを繰り返し実施することで、計画力の精度が高めていきましょう!
最後に少しマニアックな補足を行います。
PMBOKというプロジェクトマネジメントの方法論を整理したものがあります。
そこでは、WBSは、成果物単位まで細かくすることとされていて、WP(Work Package)と呼ばれます。
そしてWPをアクティビティに分解して、スケジュールを考えるという流れになっています。
本記事はそちらの考えに沿っています。
ただし、実務ではWBSは、スケジュール表を指していることが多く、タスク分解+スケジュール化を指していることがあります。
■■社会人基礎力の全体像はこちらで紹介しています■■
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